WindowsでPostScriptファイルを生成する方法

多くの電子論文投稿システムでは,論文ファイルの形式としてPDFのみ を受け付けるようになっています.また,PostScript形式でも可能なシステムも あります.カンファレンスシステムなど.

WindowsのMS Wowdなどのソフトウェアで論文を作成している場合,PDFに変換するには Acrobatなどの変換ツールが必要で,お持ちでないなら基本的にこれらツールを購入しなければなりません。
もし,PostScript形式でも受付可能なシステムが使われていた場合,以下で説明する方法により, 新たにソフトウェアを購入しなくでもPostScriptファイルを生成することができます. その方法として次の2種類を説明します.

  1. プリンタドライバーによる生成方法
  2. AdobePSによる生成方法
なお,後者のAdobePSによる生成方法を発展させ,無料でPDFを作成することも可能です.検索サイトで「Windows PDF 作成 無料」を指定して検索すれば,そのようなページがいくつか表示するでしょう.


[プリンタドライバーによる生成方法]

PostScriptプリンタを使っているならば,印刷作業中の[印刷]ウィンドウ内で[ファイルへ出力]にチェックを入れて,[印刷]または[OK]ボタンを押します. これによりプリンタに送付するデータをファイルを保存することができ, そのファイルがPsotScript形式になっています.
拡張子はprn (例えばfoo.prn)となるので注意してください.PostScriptの拡張子はpsなのでこれに変更 (例えばfoo.ps) に変更する必要があるでしょう.
PostScriptプリンタを使っていない場合でも, Windowsには多くのPostScriptプリンタ用の プリンタドライバが標準でインストールされているので, [プリンタの追加]により,それらの1つを指定して追加することで,上記の ようにPostScript形式のファイルを生成することができます.
この場合、以下の問題点があります.

  1. 拡張子がprnになる(例えば,foo.prn)ので, その拡張子をpsに変更する(例えばfoo.ps)必要なことがある.ただし,[ファイルへ出力]ウィンドウの[ファイルの種類]を[プリンタ ファイル(*.prn)]から[すべてのファイル(*.*)]に変更すれば,拡張子まで指定することができます.
    Windowsでは標準では拡張子を省略するようになっていますので、省略しないで表示する方法については,本ページ最後に記述しています.
  2. 多くのプリンがドライバがインストールされているので, PostScriptプリンタのものか,それ以外のものなのか区別しにくい.
  3. 識別できたとしても,日本語に対応していなかったり, 白黒プリンタのものだと,生成できるPostScriptも白黒になってしまう.
  4. このようなプリンタドライバで生成したファイルは基本的にPostScript形式です が,そのプリンタ独自の記述がファイルの先頭に入っていることがあります. すると,PostScriptではないと(投稿システムに)判断されることがあります.
そこで,これらの問題を解決するために、下記で説明するAdobe社から無料で入手できるPostScriptを生成するためのドライバ AdobePS を利用する方が良いでしょう.
[AdobePSによる生成方法]

AdobePSもプリンタドライバの一種ですが,日本語に対応しており,カラーを保持したままPostScriptを生成することができます.
以下で,AdobePSのインストール方法と使い方について説明します.

(ファイルの入手)
ユニバーサルインストーラーとPPD ファイル (PostScript Printer Description ファイル)を入手します.

(FILE:ポートの追加または確認)
プリンタ用のポート [FILE:]を使うと,[ファイルへ出力]にチェックを入れなくても、 ファイルに保存できるようになります.また,実際にプリンタが繋がっているポートを指定するとトラブルが起き可能性があります.その為にもFILE:を指定する方が良いでしょう.
ただし,Windows XP には,ファイル出力用プリンタポート FILE: が登録されていません (筆者が知る限り).FILE: が登録されていたら,この作業を飛ばしても構いません.
FILE: が登録されていない,または登録されているか分からない場合には, 次の手順で登録または確認をしてください.

  1. [プリンタと FAX] を開きます.
  2. メニューから[ファイル] → [サーバーのプロパティ] に進みます.
  3. [ポート]タブをクリックします.もし,一覧に

    FILE:   ファイルへ出力

    が存在していたら,登録作業を中断しても構いません.

  4. もし,存在しなければ,[ポートの追加] をクリックします.
  5. [利用可能なポートの種類] の中の[Local Port]を選択し,[新しいポート]をクリックします.
  6. ポート名を指定するためのダイアログ ボックスが現れ,[ポート名を入力してください]に

    FILE:

    を記入します.「:」も記述してください.

  7. すると,上記 3 のダイアログ ボックス内の[このサーバー上のポート]に,

    FILE:   ファイルへ出力

    が追加されます.FILE:の行に[ファイルへ出力]というコメントが追加されているはずです.

  8. [閉じる] ボタンをクリックして,[プリント サーバーのプロパティ] ダイアログ ボックスを閉じます.

(インストール)
ユニバーサルインストーラーを起動する前に,PPD ファイル(adobe.zip)を解凍します.
ただし,ユニバーサルインストーラーは,パスにスペース文字が入るとうまく認識できないようなので,デスクトップで展開すると正しく動作しません.デスクトップは C:Documents and Settings の下にデスクトップが存在するからです.
そこで解凍したフォルダを C:などのフォルダに移動します.

次に,ユニバーサルインストーラ (winstjpn.exe)を起動して,下記の作業を行います. ただし,下記は,Windows Sever 2003で作業を行ったときの例です.Windows XPなどでは若干表示が異ります.

  1. 起動後,[ようこそ]画面が表示されるので[次へ]を押します.

    (クリックすると拡大)

  2. 使用許諾契約書が表示されるので,内容を確認後,同意できるなら,[同意する]を押します.

    (クリックすると拡大)

  3. プリンタの接続方法が表示されるので,[ローカルプリンタ]を選択し,[次へ]を押します.

    (クリックすると拡大)

  4. ローカルポートの設定が表示されるので,FILE:を選択し[次へ]を押します.

    (クリックすると拡大)

  5. プリンタのモデルの選択が表示されます.[次へ]を押す前に,参照を押します.
    なお,[プリンタ]ダイアログ内の[Generic PostScript Printer]ではカラー出力ができません.ダウンロードしたPPDファイルを用いるとこれが可能になります.

  6. 先ほど解凍した PPD ファイル(上記の例ではC:) が入ったAdobeフォルダを選択し,Acrobat Distiller J を選択し,[OK] を押します.

    (注意) もし,そのフォルダへのパスにスペース文字が入っていたら,Adobeフォルダを指定しても[プリンタ]ダイアログ内に何も表示しません.その為に,上ではC: などに移動させています.

  7. 再びプリンタのモデルの選択が表示されます.ここでAcrobat Distiller Jが選択されているのを確認後,[次へ]を押します.

  8. 以後は通常のプリンタの追加と同様に,プリンタの共有などを指定します.

上記の作業後に,新しくプリンタ Acrobat Distiller J が作成されます. プリンタを削除する場合は,通常のプリンタ同様に[プリンタと FAX]で行います.

(設定)
筆者が知る限り,Windows XPの場合,インストール後の標準設定のままでは,PostScriptファイルを出力する際に,下記のエラーが発生します.

PostScriptファイルの作成時はホストにフォントを送る必要があります.
Acrobat Distillerプリンタプロパティの[Adobe PDF設定]ページで,
[Distillerへフォントを送信しない]オプションをオフにしてください.

この記述のように,[Distillerへフォントを送信しない]をオフにする必要があります. そこで,下記のいずれかの作業をしてください.
  1. メニューで[印刷]などを選択し,[印刷]ウィンドウを開きます.
  2. プリンタ名として[Acrobat Distiller J]を指定し、[プロパティ]を押します.
  3. その後,プロパティのウィンドウ内で[Adobe PDF設定]ページを選択し, [Distillerへフォントを送信しない]にチェックが入っているはずですので、チェックを外し,[OK]ボタンを押します.
または,
  1. [プリンタと FAX]を開き,一覧内の[Acrobat Distiller J]をクリック後に,プロパティを選択します.
  2. プロパティのウィンドウ内で,[全般]ページを開き,[印刷設定]をクリックします.
  3. その後は、上記の3と同様な作業を行います.

(使い方)
MS Wordなどのソフトウェアで,プリンタとして[Acrobat Distiller J]を選択後,通常と同様な印刷作業を行います. ポートとしてFILE:を指定していたら,[ファイルへ出力]にチェックを入れる必要はありません.
ただし,ファイル名の記入の際に、[ファイルの種類]を[プリンタ ファイル(*.prn)]から[すべてのファイル(*.*)]に変更しておけば,フィルの拡張子まで指定することができます.

拡張子の表示方法
Windowsでファイル・フォルダを表示する際に,システムが把握しているファイルの拡張子は,標準では表示しないようになっています. この設定を変更するにはInternet Exploreで下記の作業をしてください.
  1. 適当なフォルダを開きます.
  2. Internet Explore内の[ツール]メニューで[フォルダ オプション]を選択します.
  3. [表示]ページの詳細設定で[登録されている拡張子は表示しない]にチェックが入っているはずですので、これを外し、[OK]ボタンを押します.